注文住宅ができるまで。工事編 着工~お引渡しまで

 

こんにちは。東京・都心ならではの狭小地にローコストでデザイン注文住宅を設計・施工する建築設計事務所ARCHIBLAST(アーキブラスト)設計の渡邉です。

最適な土地が見つかり、資金計画を立て、設計士とのプランや工事内容の打合せもおおよそ終わると、いよいよ注文住宅の工事がスタートします。
とはいえ、初めて注文住宅を建てる方には、

「何から始めればいいのか分からない……」
「注文住宅を建てたいけど、入居までの期間はどれくらいかかる?」

のような疑問があるのではないでしょうか。
そこで、着工~お引渡しまで、注文住宅ができるまでの工事の流れをまとめました。
実際の写真を見ながら、これから注文住宅を建てたいとお考えの方へ、なるべく分かりやすくご説明しています!
計画的な住まいづくりの参考にしていただければと思います。

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本設計プラン期間2ヶ月。工事期間の全体目安は4~6ヶ月。

プランがまとまって請負契約が済んだところから、本格的な計画がスタートします。
まずは各行政機関へこういった建築物を建てますよという「確認申請」を行います。

請負契約から確認申請の確認済証受領まで、おおよそ2ヶ月間
役所から「この計画なら法も遵守しているので、建ててもいいですよ」という証明となるのが「確認済証」です。

この確認済証が出た後、いよいよ本格的に着工していきます。

工事期間の全体目安は4~6ヶ月
もちろんプラン内容や仕様によって変わってきますが、おおよその期間としては、

本設計プラン期間が2ヶ月
工事期間が4~6ヶ月

合計半年~8ヶ月で注文住宅に住まうことができます。

ですが、土地探しやお願いする建築会社のリサーチ、請負契約前のお打合せなどの期間は含まれていませんので、皆様のケースそれぞれに合った適切な期間を把握しながら計画するのがポイントです。

1ヶ月目:着工(解体・地盤改良)

① 地縄張りと地鎮祭

地鎮祭の様子
着工に先立って、まず「地縄張り」という建設予定地に縄を張り、位置を確認する作業を行った後、「地鎮祭」を行います。神主様、お施主様、設計担当、施工担当が立ち会い、その土地の神様に、ここに家を建てることを報告し、工事の無事を祈るという意味が、地鎮祭には込められています。
建替えなどの場合は、既存の建物を解体する工事が先行して行われます。

② 地盤改良工事

地盤改良
「地盤改良」は必ず行うものではありませんが、土地の地盤が軟弱だった場合や重量のある建物を建設する場合など、建物の自重で傾いてしまったり、地震などの影響で土地が液状化することを防ぐ目的で行われます。地盤調査のデータを基に、基準を満たしていない場合は、規定に沿った改良を加え地盤を丈夫にします。

2ヶ月目:基礎工事

③ 根切り~捨てコン

問題のない地盤であれば、根切り、防湿シート、砕石工事などを行い、捨てコンクリート(基礎の受け台となる)工事へ移っていきます。

④ 配筋工事

配筋工事

基礎コンクリート内部の骨組みになる鉄筋を組むことを「配筋」といいます。ここでも配筋検査など慎重な検査が行われます。配筋検査が済むと、いよいよ住まいの基礎となる生コンクリートを流し込む作業に入ります。

⑤ 基礎コンクリート打設

生コン打設工事
基礎工事は家づくりの土台となるとても重要な部分です。平面はもちろん、アンカーボルトを入れた立ち上がり部分もしっかり固めていきます。打設後はバイブレーターと呼ばれる振動機を用いてコンクリートを隙間なく行き渡らせます(ここが不十分だと「ジャンカ」と呼ばれる密度の低い部分ができてしまうので、しっかり確認します)。夏場、冬場で固まる時間が変わるのも特徴的です。外部配管工事、雑コン(給湯器置場や玄関ポーチなど構造とは別のコンクリート部)などを終えたら基礎工事は終了となります。
根切り
根切り
砕石
砕石工事
防湿シート
防湿シート工事
捨てコン
捨てコン工事
生コン打設
生コン打設工事
型枠
型枠工事
打設後間もない生コンクリート
打設後間もない生コンクリート
型枠バラシ
型枠バラし

3ヶ月目:建て方~上棟式

⑥ 足場設置

足場設置
土台となる木材を置く前に、基礎コンクリートの上に基礎パッキンを敷き、換気機能を持たせ、いよいよ「建て方」へ移っていきます。現場で主要な構造材(柱、梁など)を組み立てる工程のことをいい、工場でプレカットされた木材がどしどし現場に運び込まれ、クレーン車で吊り上げたりと、現場が一気に活気づいてきます。足場を設置すると「これから家が建つ」という雰囲気が出てきます!

⑦ 建て方

建て方・資材搬入
「建て方」は全工程の中で最も見応えのある工事といえるかも知れませんね。住まいの骨格が立体的に立ち上がってくるので、実感がぐっと湧いてきます

⑧ 上棟

上棟
「建て方」が終了すると昔ながらの家づくりでは「上棟式」という儀式を行いますが、最近では省略する場合もあります。その代わり、上棟した後にそのまま屋根工事を行うケースもあります。先に屋根を張ることで、構造内部やこれから使う資材などを雨から守ることができ、その後の天候に左右されずに現場を進めることができるからです。
基礎パッキン
基礎パッキン
土台敷き
土台敷き
筋がい
筋かい
防蟻処理
防腐防蟻処理

4ヶ月目:屋根工事、外壁下地工事、外装工事

⑨ 屋根工事

屋根コロニアル工事
この工程辺りから内部、外部と、様々な工事が同時並行的に進んでいきます。棟上げが終わると、すぐに屋根工事に取り掛かります。下地合板、防水シートなどを施し、屋根材を形づくっていきます。屋根の材料にもいろいろありますが、一般的なのはスレート屋根、ガルバニウム鋼板でしょうか。屋根と一緒に、バルコニーのFRP防水工事も行います。

⑩ 外壁工事

外壁下地工事
構造用合板を壁に貼っていき、そこから間柱、窓枠、アルミサッシを取り付けていきます。外側に防水シートを張り、外壁材(サイディング)を取り付けていきます。内部では袋に詰められたグラスウール断熱材を隙間なく間柱に詰めて固定していきます。その上から石膏ボードを張り、内装工事へと進んでいきます!

断熱材
外壁下地防水
外壁透湿防水シート張り
バルコニーFRP防水工事
バルコニーFRP防水
サイディング
サイディング

5ヶ月目:内外装工事や内部建具工事~仕上げ

⑪ 内装仕上工事・造作工事

内装仕上げ・天井石膏ボード
外部工事と並行して、内部では大工さんが活躍します。床、建具、階段などの造作工事を仕上げていきます。設備ではユニットバス、キッチンなどの大型のものから搬入し、取り付けていきます。壁の仕上げとなるクロス張りや塗装が行われると、もう皆さんが知っているお部屋の様子です。スイッチプレートやブレーカーなど細々とした器具付けも行えば、完成です!

⑫ 外構工事


建物の外にあるカースペースや植栽、アプローチなどの外構工事を行います。
階段下工事
階段工事
造作工事
造作工事
外構玄関
玄関・アプローチ
駐車スペース
駐車スペース

6ヶ月目:建物完成!補修工事~お引渡し

⑬ 竣工検査

竣工検査
当初申請した建築確認どおりに建物が完成しているか、工事責任者がチェックしていきます。その後、検査機関の検査に合格すると、あらためてお施主様、設計担当、施工管理担当が立ち会い仕上がりの確認をします。細かな箇所まで見落とさないようしっかり確認し、もし見つかった場合は補修工事を行います。

⑭ お引渡し

お引渡し
工事用キーからお施主様専用のキーへ変更し、晴れてお引渡しです!

 

 

 

 

いかがでしたか?

最初にお伝えしたとおり、家ができるまでの期間は短くなったり、長くなったりします。
工程の順序も入れ替わったり、ひとつひとつ違う家があるように、そこへ至るまでのプロセスも様々です。

「一戸建てってそんな風にできているんだ」というのが少しでも伝わっていたらうれしいです。
次は土地探しから資金計画など、工事前の流れをご紹介する予定です。

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