ウッドショックの背景とお施主様への影響

ウッドショックの背景とお施主様への影響

ARCHIBLAST(アーキブラスト)は、東京・都心ならではの狭小地にローコストでデザイン注文住宅を設計・施工する建築設計事務所です。

こんにちは、一級建築士事務所ARCHIBLAST(アーキブラスト)の渡邉です。
本日は「ウッドショック」についてのお話をさせていただきます。

2021年3月、今、住宅業界では「木材不足」が懸念される事態となっています。
これは主にコロナ禍のアメリカで、経済政策の後押しもあり、住宅需要が一気に高まった事などが原因です。これにより世界中で”木材争奪戦”となり「ウッドショック」といわれる事態にまで発展しています。日本の住宅業界への影響は大きく、木材価格の高騰、木材自体の供給不足が現実に起き始めています。

弊社も含め、各住宅会社がそれぞれの努力で乗り越えようとしておりますが、予定通りの上棟ができない、若しくは木工事が進められないなどの事態になりかねない状況です。今回は、このウッドショックをコラムの題材として、これから住宅をお考えのお施主様、既に設計を進めているお施主様に向けて、弊社としての対応・見解のお話をさせて頂きます。

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輸入木材が入ってこない

日本の住宅は、造る材料の多くを輸入木材に頼っています。その輸入木材がなぜ今入ってこないのか。その原因は主に3つです。

| 輸入材が入らない3つの原因

1.アメリカの歴史的低金利ローン

コロナ禍による在宅勤務が増えることでの戸建て需要の高まりと相まって、住宅市場が活況となり、アメリカ国内で木材資源が消費されるようになった。

2.中国による木材の高値買取り、相場の変動

世界に先立って、コロナを乗り越えた状況にある中国国内での住宅市場も高まっており、大きなマーケットを背景にして外材を高値で買い集めている。それによる木材市場相場の変動に、日本は買い負けてしまい木材が調達できない、若しくは高値で買うしかない状況にある。

3.輸入手段(コンテナ)がない

コロナの影響によるロックダウン等の措置が原因で、運輸業の労働者が減少し、世界中の港にコンテナが滞留している状況がおきていたり、アメリカと中国によるコンテナ確保がおき、他の回ってこない状況となっている。

上記の理由により、輸入木材の調達が難しく、調達できても輸送できないという理由で、日本において木材不足がおきているということです。

今の状況になるそもそもの原因

上記の3つは、輸入木材が入ってこない理由であってウッドショックの根本的な原因ではありません。
今の状況になる背景には大きく2つの理由があると思います。

| ウッドショックがおこる2つの背景

1.安い輸入木材に頼ってきた

今まで長い間、日本の住宅の多くは安い輸入木材に頼りすぎていた背景があり、その一方で日本の林業が長期的に低迷してしまっています。国産材を活用した住宅づくりを以前より行っていれば、いまの状況にはならなかったと思います。

2.少子化の社会構造

日本の社会構造的に、今後、新築住宅が多くつくられていく状況にはなく、世界的な木材マーケットの「木材争奪戦」の中で、いくら勝負をしても、アメリカや中国に対して買い勝ち続けていくことは難しい状況かと思います。
このような背景は、今後将来的に好転していくことが見込めないのではなかとさえ思うところです。

今後どうなる、どうしていく

今コラムを書いている2021年5月中旬の段階では、コンテナ不足の解消の兆しはあるものの、木材不足の解消に向かう明るい情報はほとんどありません。構造材の一部を国産材に変更する対応や、不足すると予測される木材を別のものに変更するという対応、予め国産材を使用する構造計算を行うようにシフトするなど、細かな対応を求められています。

この状況になった背景を考えると、今後は国産材を十分に活用していく必要があると思います。今まで低迷してしまっていた林業に急に頼るというのもなかなか難しいとは思いますが、国産材の安定供給への道を進んで行くことは、日本経済全体の底上げにもつながることですし、その分、今までよりも木材価格が高くなったとしても、その方向性で進んで行くべきだと思います。

わたしたちの想い

弊社としては以前、国内の林業を活性化させたいという想いのもと、国産の杉材をフルに活用したモデル住宅をつくりました。
BERC(ベルク)というシリーズの住宅で、大きな国産杉の集成材を利用した大開口リビングをつくったり、天井にも国産杉の無節合板を使用し、更にはエネルギーを自給できるという話題性も盛り込んで、今後の日本の住宅業界に対して、少しでも国産材活用につなげていきたいという想いでいます。これはいまでも変わりません。

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エネルギー自立型住宅 BERC

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お施主様への影響

ウッドショックのニュースが少しずつ広まる中で、住宅づくりを考えている施主様にとってはとてもご不安な状況かと思います。今年や来年に住宅を考えている方、既に設計を進めている方にとって、ウッドショックがどのように影響するのか、ご説明させて頂きます。

| 住宅づくりへの影響

1.土地のローン返済と家賃支払い

建築条件のない売地をご購入の方にとっては、土地のローン返済と現在お住まいの家賃支払いが2重で必要になる期間があります。木材不足によって上棟の延期や工期の延長が発生することによって、お引渡しやお引越しが計画していた時期よりも遅くなる可能性がありますので、2重の支払いが発生する期間が長くなることが想定されます。

2.木材の高騰による建築費の増額

世界的な木材争奪戦が起こっている状況の中で、既に木材の価格は上がっています。国産材を利用するとなっても、今までの価格で木材を調達することは難しいと思われますので、木材価格が上がり、住宅の建築費がアップします。

上記の2点、期間と費用、について影響がでる状況になってきておりますので、注意が必要です。

どう構えておくべきか

このウッドショックは住宅業界全体の問題にとどまらず、金融や税制、経済にも直結する事態かと思います。それぞれの関係者が解消に向けた動きをしたり、対応を工夫しているというのが現在の状況かと思いますが、すぐにパッと解消されるものでもないとは思います。

木材が不足するから急いで建てないと!と言っても既に遅れがではじめていますので、急いでも仕方がありません。土地のご契約をお済みで、設計を進めている方は、粛々と進めていくことが大切かと思います。
徐々に解消の方向に向かっていくときまでに設計を終わらせて、後は木材供給を見越しながら着工を待つばかり、という段階に進めておいて、その順番待ちの列にキチンと並んでおくことが、その後の着工・上棟をスムーズに迎えるための準備になると思いますので、焦らず、粛々と進めていくようにしましょう。

弊社としましては、協力会社様と連携しながら今後も事態の把握に努めつつ、出来る限りの自助努力をしてまいります。
引き続き、お施主様との先を見越した情報共有をさせて頂きますので、続報がありましたら、コラムやYouTubeにてご報告いたします。
ARCHIBLAST(アーキブラスト)は、東京・都心ならではの狭小地にローコストでデザイン注文住宅を設計・施工する建築設計事務所です。
狭小地でも広く感じられる住まいを建てたいとお考えの方は、ぜひご相談ください。

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