耐火構造とは?木造耐火建築物のメリット・デメリット

耐火構造とは?木造耐火建築物のメリット・デメリット

こんにちは!東京・都心ならではの狭小地にローコストでデザイン注文住宅を設計・施工する建築設計事務所ARCHIBLAST(アーキブラスト)設計担当の佐々木です!

本日は、木造の耐火建築物についてお話をさせて頂きます。

住宅のご購入を検討されている方の中には「耐火構造って何??」と思われる方もいらっしゃると思います。

住宅をご検討なさっているお客様とお話をさせて頂く限りでは、建物の防火性能を気になさる方はあまり多くないように感じておりますが、防火の性能には、防火構造・準耐火構造・耐火構造などがあり、燃えにくさで言うと「防火構造<準耐火構造<耐火構造」という順になっております。

これだけを見ると「耐火構造で家を建てたい!」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、耐火構造の建物にはそれぞれメリットとデメリットも存在します。

その為、今回は「木造3階の一戸建て住宅」という条件に絞った上で、耐火構造の一般的なお話をさせて頂きます。

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1.建物を耐火構造としなければならない条件

以下の条件を満たす場合、建物は耐火構造としなければなりません。

①防火地域のエリアにおいて、階層を3階以上で建てる場合
②防火地域のエリアにおいて、階層が2階以下でも延べ面積が100㎡を超える場合
→建築予定地が「防火地域」のエリアに該当する場合は注意が必要です。

※地域により、防火指定が定められております。
防火指定無し<準防火地域<防火地域の順で、建築を行なう建物に高い防火性能が求められています。

2.耐火構造のメリットとデメリット

メリット

①燃えにくい
→外壁や、室内の強化石膏ボード(天井・壁・床全て)が1重貼りではない為。
②防音性・気密性・断熱性が上がる
→コンセントボックス周りの壁内側を被覆すること等も定められている為。

デメリット

①建築コストが多くかかる
→外壁や強化石膏ボード、設備工事等で用いる材料にも決まりがあり、より火に強い素材の使用や施工基準を満たさなければならない為。
(準耐火構造との建築コストの比較で、ざっくり1.3倍程度の差が出ると思います。)
②敷地に対する居住空間が狭くなる
→外壁が厚い分、隣地境界線からの離隔寸法を多く取らなければならない為。
また、階段などの有効幅を750mm以上確保することを考えた場合、準耐火構造では壁芯900mmで満たせるところ、耐火構造では950mmにしなければならない等。

3.作りの違い

準耐火構造・耐火構造においてもそれぞれ規定を満たす作り方がある為、以下は一例として記載を行なわせて頂きます。

準耐火構造の作り方

①外壁
屋外側:サイディング14㎜+胴縁15㎜+透湿防水シート
室内側:石膏ボード15㎜

②床(例:3階の床)
3階の床 :フローリング12㎜+構造用合板24㎜+床梁
2階の天井:強化石膏ボード15㎜+野縁30㎜

耐火構造の作り方

①外壁
屋外側:サイディング15㎜(耐火等級4)+サイディング留め金具+ALC37㎜
+胴縁18㎜+透湿防水シート+構造用合板9mm
室内側:強化石膏ボード21㎜+強化石膏ボード21㎜(2重貼り)

②床(例:3階の床)
3階の床 :フローリング12㎜+強化石膏ボード21㎜+強化石膏ボード21㎜
2階の天井:強化石膏ボード15㎜+強化石膏ボード21㎜+野縁45㎜

上記の内容を絵で比較してみましょう。

▽準耐火構造

木造耐火建築物のメリット・デメリット

▽耐火構造

木造耐火建築物のメリット・デメリット
使用する材料の種類と厚みに大きな違いがあることがわかりますね。

今回は触れませんが、外壁や床だけではなく、独立柱・梁・屋根・階段等も上記と同様に準耐火とは異なる規定が定められています。

4.建築確認申請図書の違い

準耐火構造と耐火構造との違いは、単に建物の作りだけではなく、建築確認申請を行なう際の図書の内容も変わってきます。

具体的には、準耐火構造の場合は設計図書の中に「準耐火リスト」というものを入れますが、耐火構造の場合、日本木造住宅産業協会が発行している「大臣認定書」を予め購入し、必要事項を記入した上で申請図面と一緒に確認申請を行ないます。
参考:日本木造住宅産業協会

これらの書類に共通しているのは「それぞれの部位にどのような材料を使用しているかを記載した資料」という点ですが、準耐火リストは設計事務所ごとの書式で独自に作成できることに対し、大臣認定書は、耐火構造の確認申請を行なう度に図書を購入する必要性があります。

▽参考:準耐火リスト
木造耐火建築物のメリット・デメリット

まとめ

今回は、耐火建築物についておおまかに触れてみました。
いかがでしたでしょうか。

準耐火構造で建築が出来る条件下であることにも関わらず、あえて耐火構造で建築を行なう方はなかなかいらっしゃらないと感じております。

これは、前述した耐火構造のメリットとデメリットのバランスで考えているというよりは、耐震性能や断熱性能と違い、防火性能はそれほど重視する方が少ない為である、と個人的には感じています。

以下、参考画像を添付します。
画像において、ピンク色で塗られているエリアが東京都内の防火地域の範囲です。
東京都内の防火地域の範囲

参考:東京都都市整備局「木造住宅密集地域における新たな防火規制について」

もしこれから木造耐火構造で建築を予定なさっている方がいらっしゃれば、こちらの内容を少しでもご参考になさって頂けたらと思います!

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