自然とともに暮らす家
ここは目の前に油壺湾が広がる自然に囲まれた敷地。風致地区の制限で建蔽率は20%となっており、風景の中でやわらかく主張する存在としての住まいを計画しました。構造材から徹底して国産材の杉に拘り、あらわしとなる天井には、無節の合板を選定して仕上げとして採用しています。
湾に向かって広く窓を設け、1階の部屋は全てデッキテラスと床レベルを同じくして自由に出入りすることができます。リビングは、杉の集成材で大スパンを飛ばすことで大きな空間をつくり、その梁を利用したやさしい間接照明が緩やかで柔らかな空間を包み込んでいます。屋外階段を利用すれば、家全体を立体的に回遊できる構成となっており、自然の中と家を自由に出入りできます。暖炉とプールがあり、夏でも冬でもさまざまな楽しみを備えた住まいとなっています。
壁には自然塗料のクレイペイントを採用し、また、あらわしの仕上げでかつ開口部が多いにもかかわらず、ボード系の断熱材をしっかりと敷き詰めることで、暖かい空間を実現しています。更にこの住まいは、屋根に太陽光を設置し大容量蓄電池を搭載したオフグリッドハウスとなっており、電気エネルギーの自産自消を実証実験しながら日々、進化しています。