幸せな家づくり
土地と工法制限との戦いの中で、徹底的に無駄を排除し、機能的な空間づくりを意識することの多い狭小地の住まい造りですが、最終的な到達点は常に“家族が幸せになる家づくり”であるべきです。
この住宅では、機能的で効率的であることは当然念頭におきながら、第一に、いかに家族みんなが快適で末永く心穏やかに暮らすことが出来るか、という点に主眼をおいて計画しました。
日向ぼっこができる縁側や、両側から利用できるトイレ、周辺環境とつながったり閉じたりしながら、クライアントと何度もプランを練り直し、最適な居住空間となるように丁寧に設計しています。
広すぎない玄関と緩やかな階段は、家の内外と上下階に生まれるバリアを解き、住まいの隅々まで活用したくなるような工夫となっています。
団欒したりお昼寝したり、穏やかな日常を心からリラックスして過ごしていくことの幸せを、家族と一緒に、お互いすぐそばに感じながら暮らせることが、最大の贅沢であり、その後押しをすることは、家という器の大きな役割です。
だからこそ、満月の日には、バルコニーからお月見がしたくなること、縁側に陽が差し込むときには、ゴロンと寝転がってしまいたくなること、そういった家族の思い出や暮らしの楽しみ方から家のカタチを決める、という理想的で、最も大切な家づくりの根源に関わる設計方法にて家を計画しています。
深く、確かにつながった家族の絆があるからこそ、暮らしの楽しみで家を設計することができ、このお住まいを完成させることができました。関わる人全てが幸せに感じる、そんな家づくりとなりました。