プランニング(その2)

プランニング(その2)

こんにちは。
一級建築士事務所ARCHIBLAST(アーキブラスト)の佐々木です。

前回のコラムでは、プランニングの下準備について簡単にお話をさせて頂きましたので、
今回はプランニングの実践編!ということでお話をしていきたいと思います。

プランニング(その2)

■□■前回のコラムはこちら■□■

【ご要望の確認】

最初に、プランに関するご要望の確認を行ないます。

※部屋の数、部屋の広さ、LDKの広さ、トイレの設置階と設置数、UB・洗面室の設置階、
車庫・自転車置き場の有無(車庫を設ける場合は車のサイズ確認)、など。

【用途地域の確認】

コラムでは何度か触れていますが、
用途地域や地区計画、都市計画道路などを一通り確認することで
その土地に建てることができる建物のボリュームを確認することが出来ます。

★注意点
民法第234条や、地域により定められている風致地区など、
道路や隣地境界線から建物をいくつ離さなければならないか?という確認も併せて行ないます。

※ここで言う「境界から離さなければならない寸法」は、
一般的に「境界線から外壁の仕上りまで」で考えることが多いですが、
地区計画の内容によっては「屋根や雨樋」など、外壁よりも更に外側に出っ張ってくる部分に関して
規制が定められているものもあります。
 後々よく調べたら成り立たないことがわかった…ということが無いように、
この辺りの確認は確実に行なっておきましょう!

◎今回の敷地の条件は以下の内容とします。
プランニング(その2)
プランニング(その2)
敷地の2面が道路に接しています。俗に言う「角地(かどち)ですね。
※角地の場合、敷地の角の部分に「隅切り」を入れるケースがありますが、
今回はそれを無視した形でお話を進めさせて頂きます。

【建築可能範囲の確認】

上記の「離さなければならない寸法」を基に、建物の大きさを割り出してみます。

※今回の敷地は、用途地域や地区計画上では外壁の後退距離に関する規制が定められていない為、
民法の離れに関する部分にのみ注意を行ないます。

以下の画像の破線は、隣地境界線から平行に600mm離したラインです。
建物の仕様にもよりますが、一般的には境界線と建物芯で600mm離しておけば
外壁の仕上りで有効50センチが確保できます(≒民法第234条の規定をクリア)。
プランニング(その2)
※道路境界線からの離れに関する決まりは基本的には無い為、
建物が道路側に越境しないことに注意をします。

【建築可能範囲における建物の大きさを決める】

それでは、こちらの敷地に建物の大きさを入れてみます。
プランニング(その2)
上記の赤線で囲った範囲を今回の建物の大きさとします。

※隣地側は、全て600mm以上の距離を確保しています。
道路側については、一番小さい数値で295mmとなるように設定しました。

建物の大きさ(建築面積)は、4.55m×8.4175=38.29㎡です。

★ポイント
都内の狭小地では、道路側にどれだけ近付けて建物の大きさを決めるか?という点も重要です。

普段の業務の中で、この距離に関して余裕を見たがる建築会社が多いように感じますが、
ARCHIBLASTではお客様のご要望に応じ、この辺りの寸法も
ギリギリのところを狙った設計を行なうことが少なくありません。

※先日設計を行なったお客様のお家は、建物から道路境界線までの寸法を
数ミリしか余裕を取らずに進めました。
もちろん、施工誤差が発生することも想定しなければならない為、
基礎工事や土台敷きのタイミングで現場へ赴き、直接現場を確認した上で職人さんに指示を出す
ということも行なっております。

【建ぺい率の確認】

建物の大きさを決めた時点で、一度建ぺい率の確認を行ないます。
これをオーバーしてしまうと建物が成り立たない為、早い段階で一度確認を取っておきます。

建ぺい率=建築面積÷敷地面積×100
    =38.29㎡÷51.83㎡×100
    =73.88%

→指定建ぺい率が60%の地域の為、一見オーバーしているように思われますが…
 ここで活きてくるのが「建ぺい率の緩和の規定」です。

今回は、角地緩和の+10%と、準防火地域内における準耐火建築物の+10%を加え、
60%+10%+10%=80%まで建ぺい率を使うことが出来ます。
狭小地における建築では、これらの緩和も積極的に使っていきます。

【建物の大きさを決めたら】

皆さま、ここまでのお話はお分かり頂けましたでしょうか。
難しいように思われているプランニングは、実際はこのようなところから建物の形を作っていきます。

ここまでの作業ができれば、あとは間取り作りです。
次回のコラムでは、引き続きプランニングに関するお話をさせて頂きます。