プランニング(その3)

プランニング(その3)

こんにちは。
一級建築士事務所ARCHIBLAST(アーキブラスト)の佐々木です。

本日は、前回の続きでプランニングのお話をさせて頂きます。
(前回のコラムから継続している内容になりますので、前回のお話も併せてご確認頂けたらと思います。)

プランニング(その3)

■□■前回のコラムはこちら■□■

【広さと高さの確認】

初めに、広さと高さの確認を行ないます。

☆前回のコラムより、今回の条件は
 用途地域   第一種低層住居専用地域
敷地面積   51.83㎡
建築面積   38.29㎡
許容建ぺい率    80%
許容容積率    150%
道路幅員   西側6.5m
       北側4.3m
となっております。

☆広さに関して=トータルでどのくらい床面積が設けられるか?
敷地面積が51.83㎡であることに対し、許容容積率が150%の為、
最大で設けられる床面積は、
51.83×1.5(150%)=77.745㎡ となります。

建築面積を38.29㎡と定めた為、
単純計算で38.29㎡の面積が2層分(1階・2階共)建つと考えると、
38.29×2=76.58㎡となる為、
最大で設けられる床面積(=77.745㎡)にかなり近い数値となります。

これだけを見ると、3階に部屋を設けるのは難しい…??と思われますが、
現実的には、ここから
・ビルトイン車庫(容積率の緩和)
・バルコニー(床面積に入らない)
など、床面積の緩和や不算入となるものがいくつかありますので、
3階部分に部屋を設けることも考慮しておきます。

☆高さに関して=斜線のかかり具合はどの程度か?
先ず、道路斜線から確認を行ないます。
(ここでは、以前のコラムで触れた天空率や建物の後退緩和などは使わずに検討を行ないます。)

プランニング(その3)
① 西側道路斜線
道路幅員(6.5m)×道路斜線勾配(住居系の為1.25)=8.125m
→これは、西側道路と敷地の境界線上における道路斜線制限の高さを示します。

以下、
西側からかかる斜線の為、ここでは南側から建物を見た想定で作図を行なっています。
この道路斜線ラインを建物側まで伸ばすと、道路側の建物外壁芯で8.494mとなります。

プランニング(その3)
② 北側道路斜線
道路幅員(4.3m)×道路斜線勾配(住居系の為1.25)=5.375m
→上記の内容と同様、北側道路と敷地の境界線上における道路斜線制限の高さです。

北側からかかる斜線の為、ここでは西側から建物を見た想定で作図を行なっています。
この道路斜線ラインを建物側まで伸ばすと、道路側の建物外壁芯で5.874mとなります。

プランニング(その3)
上記①と②より、
道路斜線は西側よりも北側からの影響の方が大きく(=低い位置で受ける)受けることがわかりましたので、
建物の3階部分は南側に寄せるように予め意識を行なっておきます。

【各階の高さに関して】

おおよその道路斜線の影響を見越した上で、
次に建物の各階の高さを考えてみます。

① 設計地盤面(=GL)から1階床まで
建築会社によりますが、ここでは461mmとします。

基礎高300mm+基礎パッキン20mm+土台105mm+床合板24mm+床材12mm
=461mm

② 1階天井高さ
2250mmとします。

③ 1階天井と2階床の間
これは間取りによる影響を受けますが、
経験を積むことによって当たりを付けることができるようになってきます。

現状間取りは作成していませんが、仮で360mmとしておきます。
(最終的には、構造計算による梁の高さや、天井と床に使用する材料により決まります。)

④ 2階の天井高さ
2350mmとします。

⑤ 2階の天井と3階床の間
仮で390mmとしておきます。

一旦、ここまでの高さを合計してみましょう。

GL~3階床までの高さ
=461+2250+360+2350+390
=5811mm(=5.811m)

これを先ほどの図面に描いてみます。

↓画像①:西側の道路斜線検討図
プランニング(その3)
↓画像②:北側の道路斜線検討図
プランニング(その3)
画像①を見ると、3階の床から見た斜線のラインは高さに余裕がありますね。

画像②では、3階の床レベル付近に斜線制限がかかっている為、
3階部分にはほぼ余裕が無いことが見て取れます。

【狭小住宅において】

上記に記載させて頂いた通り、広さと高さをどれだけ目一杯取ることができるか?という点が、
都内の厳しい条件下における狭小住宅の設計ではかなり重要なポイントになってきます。

本日のコラムでは道路斜線の当たり具合を確認しましたが、他にも
北側の隣地境界線からかかってくる「高度斜線制限」も加味しなければならないケースもあります。

いずれにしても、予め規制をしっかり確認した上で計画を行なうことが大切です。

次回のコラムでは、道路斜線の影響を受けない範囲でどれだけ床面積を設けられるか?
という点についてお話をしたいと思います。