こんにちは!東京・都心ならではの狭小地にローコストでデザイン注文住宅を設計・施工する建築設計事務所ARCHIBLAST(アーキブラスト)設計担当の佐々木です!
こんにちは!ARCHIBLAST一級建築士事務所の佐々木です。
本日は、都内の狭小地における建物の間口についてお話をさせて頂きます。
「間口(まぐち)」という言葉を耳にされたことがある方もいらっしゃると思いますが、
簡単に説明すると「土地や建物の正面の幅」のことを示しています。
都内で建築を行なおうとする場合、土地が高額な為に広い土地には手が出ない…
と感じる方も多くいらっしゃると思います。
その中で、土地の価格と広さのバランスを見ながら検討を進めていくと、細長い形状をした土地が候補に上がる場合があると思います。
こんなとき、土地を購入すべきかの判断は何をもとにすれば良いのか?
本日はそんなお悩みにお答えしようと思います!
▲YouTubeチャンネルもぜひご覧ください!!▲
1.民法第234条の規定
まず、土地に対する建物の配置について考えます。
購入した土地に対してプランニングを行なう際、建物を境界線ギリギリまで寄せて土地を無駄なく使いたいところですが…
現実的には以前のコラムでも少し触れた通り、大前提として民法第234条の規定により「隣地境界線から50センチメートル(=500mm)以上の距離を保たなければならない」という決まりがあります。
加えて、仮にこの規定に違反をして勝手に建築を行なった場合は、隣地の所有者から工事の中止や変更を求められることがあります。
プランニングを行なう際には注意が必要ですね。
2.土地に対する建物の配置
次に、土地に対する建物の配置を考えていきます。
上記の民法の規定に従ってプランニングを行なう場合、土地に対する建物の配置は以下の通りです。
※今回は、土地の面積を44.66㎡(3.93m×11.365m)とします。
俗に言う狭小地ですね。
以下の画像において、外側の白線は敷地境界線を、内側の黄線は建物の配置(壁芯)を示しています。
南側以外の3方は、隣地境界線から建物芯まで600mm(=外壁の仕上りまで約510mm)の為、前述の民法の規定が守られています。
南の道路側は300mmですが、民法第234条の規定はあくまで「隣地境界線」が基準となっている為、道路側は建物が越境しない位置まで近付けることが可能です。
こちらの画像を見ると、建物の間口は2730mmです。
土地の間口が3930mmあれば、この計画が成り立つ計算になります。
一般的に建物の間口は3640mm欲しいと言われていますが、仮に2730mmとした場合においてもプランは成立します。
以下、簡単ではありますが建物の大まかなボリュームです。
こちらの簡易プランをご覧頂けるとお分かりになるかと思いますが、
階段やホール・トイレの幅は一般的に910mmであることや、
UBや洗面の幅が1820mmであることから、
2730mmという幅を上手く使おうとした場合、これらが綺麗に当てはまります。
その為、これ以上建物の間口が狭くなると、プランを綺麗に成り立たせることや、居住空間としての必要寸法の確保、耐力壁の確保などがどんどん難しくなってきます。
結果、
・建物の間口は最低2730mm必要
・土地の間口は最低3930mm必要
ということを最低基準の目安としてお持ち頂けたらと思います。
3.最後に
いかがでしたでしょうか。
今回は、建物の間口(と土地の間口)についてお話をさせて頂きました。
もちろん、間口が広いほどプランは入れやすい傾向にはありますが、同じ土地面積という前提で考えると、同時に奥行き方向の寸法にもご注意頂きたいです。
過去のコラムにおいても何度か繰り返しお伝えしておりますが、都内の土地は高額です。
その中でも、見た目だけで敬遠しがちな土地の形状がありますが、細かく検討してみたら意外に希望に近いプランが入った!ということも少なくありません。
我々ARCHIBLASTは、そのような狭小地のプランニングや建築工事を得意としておりますので、もしご検討をなさっている方がいらっしゃればお問い合わせを頂けたらと思います。
ARCHIBLAST(アーキブラスト)は、東京・都心ならではの狭小地にローコストでデザイン注文住宅を設計・施工する建築設計事務所です。
狭小地でも広く感じられる住まいを建てたいとお考えの方は、ぜひご相談ください。