こんにちは!東京・都心ならではの狭小地にローコストでデザイン注文住宅を設計・施工する建築設計事務所ARCHIBLAST(アーキブラスト)広報担当の奥本です!
今回は3階建て新築注文住宅のお話です。
東京・都心で新築注文住宅を建てたいけれど、2階建てが良いのか3階建てが良いのか迷っている方や、購入を検討している土地が狭小地であるために3階建てにしてできるだけ広々とした住まいにしたいと考えている方もいらっしゃると思います。
今回は少しでも3階建ての新築注文住宅をご検討されている方へ、アーキブラストの事例もご紹介しながら3階建てのメリット・デメリット、費用、魅力などお伝えします。
1.【都心ではなぜ3階建てが多い?】
そもそも東京・都心ではなぜ3階建ての住宅が多いのでしょうか?
都市計画の制限によっても変わってきますが、土地を最大限に活用する間取りを考えた結果、3階建てとなることが多いからです。
東京・都心に建てる新築注文住宅の魅力の一つとして、首都圏へのアクセスの良さが挙げられます。首都圏へのアクセスが良い都心の土地となると、広大な面積でなかったとしても土地の価格は上がりますが、資産価値も高いため狭小地であっても都心の土地を購入される方は多いのです。
よって首都圏へのアクセスが良い狭小地の空間を最大限に活用する間取りを検討すると3階建てになることが多いため、都心では3階建てが多いと言えるでしょう。
ただし初めにお話しした通り、都市計画によってもどれくらいの高さの建物が建てられるのかが変わってきますので、3階建ての新築注文住宅をご検討されている場合、土地購入の段階から容積率や建蔽率だけでなく、道路斜線や北側斜線、防火指定など様々な条件をチェックしておきましょう!
アーキブラストでは土地購入からご相談いただけますので、ぜひお気軽にお問い合わせください!
2.【3階建てのメリット・デメリット】
2-1.メリット①空間を最大限に活用できる
前述した通り、土地の面積を最大限に活用してたくさんの居住空間を確保できることが一番のメリットと言えるでしょう。
つまり狭小地であるほど3階建て住宅は大きな効果を発揮します。「広大な土地は高価で買えないけれど、狭小地でも利便性の高い都心で広々とした住まいを手に入れたい!」という方には3階建てという選択肢はとても有効です。
2-2.メリット②フロアごとで使用目的が分けられる
1階はビルトインガレージと水回りや衣類などの収納スペース、2階はリビングとして家族団欒の空間、3階は寝室と居室で落ち着く場所などフロアごとで使用目的を分けることで、メリハリのある生活ができます。
例えば、店舗や事務所と併用住宅にしたい場合は1階を店舗や事務所にして、2階3階を居住空間とすることもできます。
また二世帯住宅を建築する場合でも、1階を親世帯、2階3階を子世帯の居住空間とすることもできますから、それぞれのライフスタイルを考慮した空間作りも可能なのです。
▼二世帯住宅に関するYouTubeはこちら!
その他にもフロアごとで完全分離にすることで賃貸併用住宅を計画することもできます。
2-3.メリット③陽当たりが確保できる
周囲の建物や斜線制限によっても変わってきますが、2階建てよりも高い位置に窓を設けられるため、明るい空間を確保することができる場合が多いです。
1階の居室など住宅が密集していることが理由で、どうしても暗くなりがちな空間が生まれてしまう可能性もありますが、間取りや窓の配置を検討することで十分解消できるでしょう。
2-4.デメリット①移動が増える
階数が増えた分、昇り降りする移動の回数が増えるため、高齢になってくると負担も大きくなってくるでしょう。
老後も快適に暮らすための対策の一つとして、主寝室を1階、リビングを2階、3階は子供部屋、お子様が独り立ちされた際には使用頻度が少ないものの収納スペースとすることで、移動を減らしながらも空間を最大限に活用できる間取りとなります。
またホームエレベーターを設置することも一つの手ですが、数百万円ほどコストアップすることや、設置後も定期的なメンテナンスが必要になること、エレベーターのスペースが必要になってくることを考えると、本当に必要かどうか十分な検討が必要です。
2-5.デメリット②冷暖房効率が悪くなりやすい
陽当たりや風通しを考えて吹き抜けを作る場合もありますが、冷暖房効率が落ちてしまわないか心配なところです。
ですが高気密高断熱な施工をすることで室内の気温を保ちやすくすることが可能です。また吹き抜け部分にシーリングファンを設置することで空気の循環ができ、室内での寒暖差を減らすことができます。
2-6.デメリット③階段が多くデッドスペースが生まれやすい
階段は移動としてのスペースであるため、特に階段上や階段下などがデッドスペースとなりやすいです。
しかしアーキブラストでは、そのようなデッドスペースが生まれないよう階段下にトイレ、階段上に収納スペースなどを設けることで、無駄のない間取りを実現できます!
▼デッドスペースの活用方法はこちら!
3.【3階建て建築にかかる費用は?】
次に3階建て住宅の建築費用について見ていきましょう。
アーキブラストでは敷地面積が15~20坪、延床面積が25~30坪の場合、建築費用は2,500~3,000万円が平均的ですので、坪単価は80~100万円程度となります。
※ウッドショックなどの影響により価格が変動する場合もあります。
もちろんデザインや構造により費用は変わってきますが、3階建て住宅だからこそ発生する、もしくは発生する可能性がある費用もありますので見ていきましょう。
3-1.構造計算費用
3階建て住宅や大規模な建物を建てる際に必ず発生するのが構造計算費用で、構造計算書の提出が義務付けられているためマストで必要になってきます。
構造計算とは建物の安全性を検討・確認する計算のことで、計画している建物が問題なく安全に成り立つかどうかをチェックしているものです。
ちなみに2階建て以下・延床面積500平米以下・高さ13メートル以下・軒の高さ9メートル以下の木造建物は「4号建築物」と呼ばれ、構造計算書の提出が義務付けられていないため、壁量計算など他の計算方法でも確認することができます。
構造計算費用の相場としては、延床面積が25~30坪で30~40万円程度かかってきますから、予算に組み込んでおきましょう。
3-2.地盤改良費用
地盤改良費用は必ずしも発生する費用ではありません。
住宅を建築するにあたり、まずその土地の地盤が建物の重さに耐えうる強度があるのか調査を行い、強度が足りなかった場合は地盤を補強する地盤改良工事が必要となります。反対に調査の結果強度が保証され、改良なしで着工できる場合はかからない費用となります。
3階建て住宅は2階建て住宅よりも重量が重くなり、より強固な地盤が必要となるため、地盤調査や地盤改良が大切です。
地盤調査の方法は大きく3種類あり①SWS試験(スウェーデン式サウンディング試験)、②ボーリング調査、③表面波探査法があります。
アーキブラストでは①SWS試験(スウェーデン式サウンディング試験)を採用することが多く、相場は10万円前後です。
地盤調査を経て地盤改良工事が必要となった場合大きく3つの工法があります。軽い工法から順に①表層改良工法、②柱状改良工法、③鋼管杭工法です。
①表層改良工法は40~60万円、②柱状改良工法は70~100万円、③鋼管杭工法は100~150万円程度が相場となってきます。
工法は地盤の状態や、確認検査機関の指定によっても変わってきますが、地盤調査と併せて少なくとも100万円程度は見積もっておきましょう。
4.【費用を抑えるコツ!】
必ずかかってくる費用を見てきましたが、そうは言ってもできることならコストをかけすぎずに素敵な新築注文住宅を建てたいものですよね。
そのために施す工夫はいくつもありますが、アーキブラストでご提案しているデザインの工夫を一部ご紹介します!
▼YouTubeでもご紹介していますので、ぜひご覧ください!
【狭小住宅のつくり方間取り編#5】コスパのいい注文住宅にはデザインの工夫がたくさん!一級建築士が6つのコツ教えます!
4-1.コストをかける場所を絞る
例えば床には無垢フローリングを用いたり、無垢フローリングと触り心地が似ている挽き板を用いてコストをかける場所を決めていくという工夫です。
クロスに関してもほとんどの空間は量産のクロスを使用し、水回りなどアクセントで量産以外のクロスを用いても良いでしょう。
4-2.手が触れるところを変える
階段の手すりやドアノブなど毎日手が触れる部分に無垢材を用いることで、木の温かみを感じつつ、コスパ良くこだわりを表現することもできます。
4-3.モルタル仕上げで魅せる
玄関の床に対して通常の磁器質タイルを使わずにモルタルで仕上げる工夫です。
玄関先のポーチから玄関の中までモルタルで仕上げることで、コストを抑えつつもかっこよさを演出できます。
4-4.塩ビ床タイルを活用する
「タイルはかっこいいけど大きな空間に使用するとコストがかさんでしまう…」とお悩みの方にご提案したいのが塩ビのタイルです。
冬場のタイルは特にヒヤッとしがちですが、塩ビ床タイルは冷たくなく、タイルよりも費用も抑えながらデザイン性を保つことができます。
4-5.扉のないオープン収納
収納の扉をなくすことで費用を下げることができるというメリットだけでなく、常に見えているため整理整頓が行き届き、家にとって無駄なものが見えてくるという利点もあります。
4-6.照明をちょっと工夫する
ダウンライトの位置を少し芯よりずらすことでウォールウォッシャーを作ったり、玄関天井にダウンライトを設けずに、框の部分に間接照明を取り入れることでコストを抑えつつ個性を表現できます。
5.【3階建ての事例紹介3選!】
5-1.①19.69坪の豊かな狭小
アーキブラストが得意とする狭小住宅の事例をまずご紹介します。
12坪の土地と19坪の床面積とはとても思えないアイディアが詰め込まれています。
最も目を引くのは外観のアクセントにもなっている出窓ベンチです。家具を置かずともくつろぐことができ、寝室わきのヌックとして活用したり、住まい手の気分で色々な使い方ができる魅力的で実用的なアイディアベンチとなりました。この事例をもっと詳しく見る:19.69坪の豊かな狭小
もう一つ狭小住宅において大事になってくるのは階段の位置です。全ての空間にアクセスしやすいよう北側の中央に階段を据えることで、視覚的にもアクセントとなっています。さらに南側からの光を遮らない位置に配置しているため、明るい空間を実現できました。
その他にもキッチンと繋がるカウンター席に収納を設けたり、階段下に洗濯機のスペースを設けることで空間を有効に活用しています。
5-2.②光庭のある家
次に「広く明るく気持ちいい間取りのコツ」が詰まった事例をご紹介します。
周囲に住宅地が密集している場所でも、更地の状態で現地に訪れ、陽がさす方角をしっかりと考えることで都内3階建ての1階であっても、光を取り入れた明るい空間とすることができました。
この事例をもっと詳しく見る:光庭のある家
広く明るく気持ちいい間取りを実現するために活用しているのが階段です。階段は大切な吹き抜け空間であるため、思い切って少し広げた空間にして、そこに鉄骨階段を設けることで、3階からの光を2階、1階まで届けることができます。
また天井高にも工夫を施しました。敢えて他の階を低くし、LDK階を目一杯高くしギャップを持たせたことで、家全体にメリハリが生まれました。
5-3.③伸びやかな質と暮らす
この住まいの特徴は手に触れるモノ、目に入るモノは、できるだけ自然の素材そのままにしていることです。
階段の手すりには無垢の木材を、床には挽き板を使用していることで、木のぬくもりに優しく包まれる感覚があります。
また壁や天井は大半を塗装しており、光の表情を感じられる空間となりました。
この事例をもっと詳しく見る:伸びやかな質と暮らす
間取りの工夫は階段下空間の活用もさることながら、階段上にロフト階段を重ねることで、余すことなく空間を広げる役割を果たしています。
6.【3階建て住宅の魅力】
アーキブラストの事例も踏まえてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
東京・都心に建てる3階建て住宅には様々な工夫が施されています。
2階建てよりも費用がかさんでしまうことを懸念されている方もいらっしゃるかと思いますが、3階建てだからこそ確保できる広々とした居住空間もあります。
また広いスペースを確保するということだけでなく、豊かな暮らしを実現できる間取りをご提案させていただきますので、少しでもお悩みのある方はお気軽にアーキブラストまでお問い合わせください!
最後までお読みいただきありがとうございました。
ARCHIBLAST(アーキブラスト)は、東京・都心ならではの狭小地にローコストでデザイン注文住宅を設計・施工する建築設計事務所です。
狭小地でも広く感じられる住まいを建てたいとお考えの方は、ぜひご相談ください。