旗竿状の敷地は、隠れ家のような高揚感がありますよね。
その奥に、2人と猫1匹の家族みんなが、“いつまでも暮らしを楽しむ住まい”をつくりました。
まず建物として、間取りや構造を整理し、細かなシーンにも配慮した緻密な設計をしています。
余計なドアが目に入らないようにしたホール空間や、キッチンに立つとパントリー越しに窓から外が抜けて見えるなど、暮らしていく中での些細な感動を大切にして計画しました。
玄関は、猫の飛び出し防止を兼ねたアイアンパーティションで区切り、モルタルテイストの床が奥まで伸びていく、洗練された空間です。
北側の地窓や階段上の窓からは柔らかい光が降り注ぎ、黒くシンプルな形状の鉄骨階段をぼんやりと照らしています。
御施主様ご支給のブラケット照明もアクセントとなり、無機質な色使いの中で、やさしくて力強い存在感を放っています。
一転して2階は、高い天井と整えられた大きな空間の中で、印象的な挽板を敷いています。
全体は無機質な色彩で整えつつも、書斎カウンター、キッチン面材やリビングの床材が、無垢の木の暖かさで包んでくれる優しい空間です。
フルオーダーの造作キッチンはF-Furnitureさんとお施主様の傑作。
ステンレスの質感やチーク材のディテールが、全体を豊かな空間に押し上げてくれます。
暮らしの中で、このような見せ場が随所にちりばめられています。
角丸の出入口もそのひとつです。
とてもセンスが光るお施主さま。
仕上げに、カーテンや照明を“暮らしを楽しむ重要なアイテム”としてうまく利用し、素敵なお住まいとなりました。